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「いいですよ。お客様は神様同然ですが、迷惑な輩はゴミ同然です。衆人観衆の下で暫く外に出たくならない位に教育してあげましょう」
そう言っていくつか使える魔具を持って外に出る。
外は夕暮れ時で大通りには夕飯の買い物に来た主婦や、街の外に魔物を狩りに行っていたギルド員が多くいる。
店のアピールのチャンスかな?
「全く、親父の頼みで来たら店員に絡まれるしよ!とんだ災難だぜ!!」
男はわざとらしく大声でそう言う。勝つにしろ負けるにしろ言い逃れのためだろう。
勝てば僕を悪者にして魔具を持ち帰り、負ければそれを理由に罪を逃れるつもりか。なんとも小賢しい男だ。
僕と男が大通りの真ん中に立ち魔具を構えると、悲鳴が上がり人混みが割れて空間ができる。
あぁ……これは勝たないと店の評判が……
男の得物は店から持ち出した大剣一本。
色々持ってきたけど『テトラ』の杖だけでいいかな。
そう思い、杖以外は腰のホルダーに吊り下げる。
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