プロローグ

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20XX年、人類の前に神は現れた。 世界中に、同時に、突然に。 朝も昼も夜も関係なく、空は真っ白に染まった。 そんな中で神は人類に向けて言った。 『人間よ、貴様らは勘違いをしている。貴様らは自らを選ばれた種族だと宣い、同族を殺し、他の種族を絶滅に追い込んだ。 そして、自らの発展が進めば今度は星のため、平和のためと他の国の発展を妨げる。 人間よ、貴様らは勘違いをしている。我が見たいのはそのような茶番ではない。我はそのような茶番の為に貴様らを生かしているのではない。 我は争いが見たい。血が吹き出し、助けを乞い、無慈悲に切り捨てる、容赦のない争いが見たい。 我は戦いが見たい。己の限界に挑戦し、強敵と刃を交え、成長の糧とする、己の欲の為の戦いが見たい。 我は叫びを聞きたい。愛を叫び、友情を叫び、復讐を叫ぶ、心の底からの、魂の叫びが聞きたい。 我は貴様らの全てが見たい。ゆえに我は停滞を許さない。 命を燃やす、一瞬を生きる、そんな世界に我が変えてやろう。火種は落とした。 さあ、開幕だ』 その瞬間、天空、地上、地下、惑星のありとあらゆる場所に異形の生物、魔物が出現した。 魔物は列をなして人口の集中する都市に進行し、人類を壊滅まで追いやった。 勿論、人類も現代兵器で応戦したが、全くの無駄。あえなく破壊され人類の叡知は魔物に敗北を喫した。 魔物は火を吹き、風を操り、地を割り、到底現実とは思えない魔法のような現象を起こした。 人類の繁栄も此処までかと思われた。 だが、その魔物に対抗する人間が現れた。彼らは現代兵器を使わず、原始的な武器──刀や杖を持ち、魔物を打ち倒した。 ある者が尋ねた。どうして魔物に攻撃できるのか、と。 その答えは人類の存続に繋がるものだった。 『魔物の遺骸からは魔物に効果のある特殊な武具───魔具が手に入る』 人類は魔具集めに奔走した。弱い魔物を魔具を使って狩り、魔具を増やす。それを繰り返し、やっとのことで人類は一時の平穏を手に入れた。
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