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「んぅ…………ナギ…さん?」
「こんばんは、アリアちゃん。目が覚めた?」
横抱きにしたアリアちゃんが目覚め、あたふたと手足を動かす。
「おっと危ないよ。あんまり暴れないで、一応ここ、屋根の上だから」
その言葉にピタッとアリアちゃんの動きが止まる。湯気が出そうなくらい顔を真っ赤にして固まる。
「う、え?なんでナギさんが?」
アリアちゃんの質問に耳を傾けながらも屋根から屋根へ建物の上を駆ける。
僕はアリアちゃんの問いに正直に答える。
「養成所に向かう途中にアリアちゃんの声が聞こえてね。急いで駆け付けたら気絶したアリアちゃんがいたのさ」
「気絶…………そうだ、あの男っ!」
漸く目的地に付いた僕は外から路地側の窓を開け、中に入る。
アリアちゃんをベッドに寝かせると窓を閉める。
「ごめんねアリアちゃん。僕がもう少し早く着いてれば怪我もしなかったのに」
そう言ってアリアちゃんのお腹と足の様子を見る。
アリアちゃんの了承を得て触ってみたところ、足の切り傷は軽く塞がった状態だが動けば傷が開きそうだ。
お腹の方は赤く腫れており、明日には青い痣になるだろう。
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