第1章  特別な人

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「そんなんじゃないもん。」 「うちの高校だってまあまあイケ顔男子はいるけど、  それでも、あんたの心は動かなかったわけだし、  そうなると、やっぱりトシかなあってね。」 「たしかに、大人で、  今まで合気道の一生徒として接してくれてたから    すっかり安心してたせいで、  不意突かれちゃったんだよね。    話したら、同じような境遇だったみたいで  色々事情分かってくれて、  1か月付き合うことにしたの。」 「1ヶ月?  1ヶ月って?期限付きなの?」 「うん、”ためしに付き合おうよ”って言われて、  じゃ、1か月ならって。」 「あんた、どんだけ上からなのよ。モ-リくん可愛そうじゃん。」 アッキ-はAKCの歌『上からまる子』を鼻歌で歌う。 ひどっ 「そんなんじゃないもん。  モ-リはそれでいいって、言ってくれたし。」 「ふ~ん、それは、モーリくんも本気じゃないってことか。」 ズキン アッキーに言われて胸が痛んだ。 本気じゃない? そうだよね、こんな条件で本気なわけがない。 1か月で別れるのに本気になるわけない でも切ない気持がするのはなぜ?
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