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「このへんかな?」
「あ、そこの家です。ありがとうございます。」
モ-リは、
アッキ-を車で家まで送っておろした。
あたしは、アッキ-に手を振りながら、
まだ車内の残る自分に違和感を感じていた。
「ねえ、モ-リはあたしを好きじゃないんだよね。」
「え? 好きだけど。」
「だから、そういう好きじゃなくて、男と女っていうかそういう。」
「好きだよ。だから一緒に居るんでしょ。」
「あたしは、好きじゃないよ。」
「知ってる。」
「それなのに、いいの?」
「嫌いじゃないでしょ。」
「嫌いじゃない。」
「好きになってくれるかもしれないじゃない。」
「ならないかもしれないよ。」
ハハッとモーリは笑って車を停車させて振り返った。
「何?」
「隣においでよいちご。
そこじゃあ話が遠くて淋しいから。」
「え、でも、…」
「おいで。」
助手席を軽く叩いてウィンクをする。
「!」
どきんっ
きゃあ~~もうどうしようっ
固まって動けなくなった私を面白そうにしばらく見つめて、
何も言わずに車を発進させた。
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