25人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ
「そうだね、例えば今大好きって言ってても、
明日には嫌いになるかもしれない。
嫌いだったけど好きになるかもしれない。
1ヶ月間、俺はいちごにいい奴だって思って貰えるように
頑張ってみるよ。
出来れば好きって言って欲しいけどね。」
あたし、ひどいこと言ってるのに、
モ-リは爽やかな笑顔で優しい気持を向けてくれる。
「ん?どうした?」
嫌なことばかり考えて、
あたしってちょっと後ろ向きなんだなって思った。
全てがあんなやつらばっかじゃないのに、
男って一括りにして。
これで変われなかったらきっと一生無理!
折角、作ってもらった、チャンスなんだもん。
頑張らなきゃうそだ。
変われるはず。
変わりたい。
「あたしも頑張る。」
「何を?」
「先生を好きになるように頑張る。
男嫌い治すように頑張る。」
「いちご、まだ先生って呼ぶの?」
「あ、だって恥ずかしくって。
……コホン☆
ねえ、あたしモーリの事はいい人だって
もうとっくに思ってるよ。」
「いちごヤバいよ可愛すぎ。」
モーリは真赤な顔して空を見上げた。
どんな顔してるんだろういくら見上げても
あたしよりはるかに高いその顔は見えなかった。
ただ、少し色濃くなった夕方の空が
モ-リのライトブル-のYシャツと同じ色になって
あたしの中で心地よい空間を作ってた。
最初のコメントを投稿しよう!