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「あ? さっきのガキじゃねえか。部屋はどこだ」
さっき会った警察官だ。帽子を被っておらず、剥き出しの頭皮が一層顔の怖さを引き立てている。
ドアの前に立つと、肩から抉り込むように体当たりした
「おらっ……おらっ開けえ!!」
ものの十秒でドアは音を立てて崩れ落ちた。
部屋には首を吊った父の背中がゆらゆらと揺れていた。
ポケットからナイフを取り出し縄を引き裂く。素早く首の頸動脈を確認する。が、すぐに指を離した。
「坊主、もうこの親父さんは駄目だ。外に出ろ」
崩れたドアの前で僕は立ち尽くしていた。乾いた瞳に悲しみは湧かなかった。
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