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「えっと? いきなりすぎて話についていけないんだけど、僕が浮気したってどういうこと?」
この冬になってからいったい何度目になるかわからないドアの破壊に辟易しながら、柚葉が口にしたことについて追求する。
十二月二十七日。
わずかに視線をずらして目に入ったのは本日の日付だ。
冬が終わるにはまだまだ時間がかかることだろう。いくら暖房をつけていても、せっかく暖まった空気が廊下に逃げていってしまうのだから勿体ないことこの上ない。
泣く泣く暖房を切り、話を聞く体制になる。
「しらばっくれんなよ。クリスマスイブんとき雅姉と茜姉とは別の女と一緒に歩いてたろ」
「なんでそこで二人が出てくるのかは訊かないででおくけれど、まあ確かにその日は知り合いと出掛けてたかな」
僕はわりとクラスでは話しかけられる方である。それは柚葉も言った二人の幼なじみと、僕の中性的な容姿のおかげだ。
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