1.故郷の人々

10/32
前へ
/113ページ
次へ
「…それで?退魔武器とは?」 やっぱふざけてましたね。 「退魔武器は人間が悪魔を殺せる、唯一の武器です」 「殺…、物騒ね」 「…まぁ…な。でもこれが無いと、人間は悪魔と戦えないからな。それじゃ滅ぼされちまう」 「へぇ…。でもよく日本刀なんかあったね。」 「いや、あったってより、造ったって方が正しいかな」 「造った?」 「あぁ。退魔武器の原石、手のひらサイズの赤い結晶な、その原石に自分の血を吸わせると、専用の退魔武器が出来るんだ」 荒っぽい献血みたいな感じか?傷口は治るけど。 「血を…?」 「あぁ、手のひらをナイフでザクッ…ってな」 「うぁ…」 引くなよ。聞いてきたのお前だろうが。 「…で、出来たのが、その刀か」 「そうです」 言って、刀を鞘から引き抜く。 相変わらず、光を拒む様な黒さだな。 「うわぁ…、ずいぶん黒いね。手入れしてないの?」 「元から黒いんだよ。汚れてなんかねぇよ!」 「む?鍔が無いな」 「あぁ、はい。鍔の…代わり?に、二つの留め具みたいなのがありますけどね」
/113ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加