プロローグ-少年の記憶-

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頭の片隅にある、とある記憶。 ずっと昔の、10年も昔の、記憶。 片隅にありながらも決して消えず、ふとした瞬間に呼び起こされる、記憶。 それは、罪の記憶。 それは、戒めの記憶。 少年にとって最悪のトラウマであり、しかし、決意の証でもある。 かつて少年は一人の少女を救えなかった。 何もできず、倒れ伏す事しかできなかった。 少女へ迫る凶刃を防ぐ事ができなかった。 これは、罪の記憶。 これは、戒めの記憶。 これは、目覚めの記憶。 少年が、『神代霧斗』という存在になった、記憶。
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