1.故郷の人々

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俺は神代霧斗。どこにでもいる平凡な高校生…じゃ、ない。 鬼ヶ島学園の一年生だ。 鬼ヶ島学園とは、50年前に復活した悪魔を殺す術を学ぶ学園だ。 何でそんな所に通っているかは、面倒だから省く。 そんな、物騒な学園にも夏休みはあって、現在俺は故郷である日本に帰省中だ。 少し前に日本に着き、三ヶ月振りに我が家へ帰ってきた俺を待っていたのは、顔は完璧裏社会の神河勇厳さんに、俺と霞の父親である神代雹汰と、父に破壊された風呂だった。いや…うん。 そしてもう一人。 今現在俺の前に佇んでいる、霞。 俺の大事な大事な妹は、感情の消えた顔で、ぼーっと俺を見つめている。 「どうした?霞」 俺がそう問い掛けると霞は、 「…くろ、しろ、あか」 と、答えた。
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