1.故郷の人々

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「…で、その帰りになんとなーく空港近くの道を通ったんですよ。そしたら、刀を提げていて黒い服を着た不審者が居たんですよ!そして、こっちを振り向こうとしてて、あっ、ヤバい…、そう思って慌てて路地に駆け込んだんです。幸い、追いかけてくる事はなかったんですけど、ホント危ない所でしたよ」 ………。 ……………。 …………………。 うわぁ、今出たくねぇ…。 遥の言う不審者、十中八九…つか完璧、俺だな。 まぁ、刀持って黒い服着て荷物持ってたら、怪しいよな。 …でもさ、気付かないかなぁ。なんかショック。 (しかし、どうしたもんか…) そう思っていると、霞が俺の横を通り抜け、普通に茶の間に入った。 「…はるか」 「あっ、霞!ちょっと聞いて!さっきね…」 「…きこえた」 「あれ、そう?」 「…うん」 …流石霞、ごくごく自然に入っていったな。そしてさらっと俺を一人にしたな。 いよいよどうしよう…。
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