第1話 くだらないはじまり

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しばらくすると外からプロペラ音やサイレンの音が聞こえた。 俺は、座って足元を見ていた。 するとある物に目を奪われる。 「これは…」俺はそれを拾い上げた。 SDカードだ、今時珍しいなとそれを眺めていた。 SDカードは数年前に廃れてしまった、今ではまず見ることはできない代物だ。 神奈川にコンピュータに強い友人がいる、見せてみるか。 俺は黙ってそれをポケットにいれる、良いものを拾った。 中身が気になって仕方ない。 しかし、テロリスト達は何をしているのだろうか。 俺は顔を上げて辺りを見た、すると外に機動隊の男達が扉をこじ開けようとしていた。 「(おいおい、テロリストがいるのに大胆やな)」俺はそんなことを考えながらその様子を見ていた。 するとすぐに隊員がなだれ込んできた。 「皆さん我々の指示に従って避難を」隊員の一人がそう叫ぶと乗客達は頭を下げて車両を出る。 俺は下りる時にこう尋ねた「テロリスト達は?」そう聞くと隊員は静かに「もういない、どこかへ消えた」と答えた。 消えた? 逃げるにしても… 「(ここ高架なんですけど)」下にも降りれそうにないし、空にしてもヘリが離陸できるスペースはどこにもない。 空を見上げると数台のヘリコプターが飛んでいるのに気づいた、マスコミか? よくもまあ…ロケット砲をテロリストが所持してたらどうするつもりなのだろうか……。
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