ソーダ水(前編)

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  「――――」 あれ……? なんだか耳が可笑しい。 トンネルの中に居るみたいだ。 校長先生の声も遠くなって あ……こりゃ駄目だ って、思った瞬間。 「野々原さん?」 1学期終業式の途中 ――バタン 「ちょ、先生、野々原さんがっ――」 私は、貧血で倒れた。 明日から夏休みが始まろうとしていて、体育館の外ではセミが短い命を歌っている。 私の世界は相も変わらず、平凡に周り続けていた。  
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