153人が本棚に入れています
本棚に追加
私は白雪さんに、大まかに説明した。
「――ほう。2人が再会した場所で、今も2人だけが利用してる、か」
「うん、今はね……」
「それにしても凄いっすねぇ。3年ぶりに会うなんて」
これで一筆書きたいっす、と隣から呟かれる言葉。
「白雪さんっ」
「ヒヒ、うそうそ。ノンフィクションは書くの苦手なんだよなぁ」
話したことを後悔してしまうのだけは嫌なので、冗談だと分かると安心する。
「付き合ってるってことは、両想いだったんすか? ひょっとして、向こうも沙彩ちゃんの存在を知ってたとか」
「ううん、それはないと思う。はじめは私も考えたけど、佐々さんからその話が出たことないし。両想いでもないよ」
佐々さんのことは、好きか嫌いかで聞かれると、好きだ。
でもこれは恋とは違う。
ハッキリ言えてしまうのが答えだ。
「ほほー。お兄さんの名前は佐々さん、と」
「う、うん」
……なんか、佐々さんの話を人と話しているのが不思議。
最初のコメントを投稿しよう!