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そこで私は、自分が浅はかな考えをしていたことを知る。
友達の家に遊びに来るなんて、いつぶりだろ……。
「あ、躓かないようにね」
白雪さんの家にお邪魔すると、まず目に飛び込んできたのはたくさん積まれた段ボールの山。
一戸建ての1階の廊下が埋まるほどの数に、私はすぐに違和感を覚えた。
「ここが私の部屋」
「お邪魔します」
「あぁっ、お邪魔するなら帰ってくださいー」
「えっ」
「フフ、嘘だよ。冗談冗談」
白雪さんの部屋を見渡すと、扉の前で描いたイメージと全く違った。
ピンクの小物とかぬいぐるみが飾られているんだろうなと思っていたけど、意外にもシンプルで落ち着ける部屋。
勉強机、懐かしい……。
「沙彩ちゃんはベッドに座って?」
「あ、はい」
ショルダーバッグを肩に掛けたまま指定された場所に腰を下ろすと、白雪さんは真っ正面の床に座って大きなクッションを胸に抱える。
「何か飲む?」
「ううん、大丈夫。私はさっき飲んだから」
「っすか。……家、散らかってるでしょ」
「私の家も散らかってるよ」
「嘘。ここまでじゃないでしょう?」
顔をほころばせる白雪さんに、まんまとお世辞を見破られてしまった。
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