ソーダ水(前編)

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こういうの、無しにしよう。 「そうだね……ちょっと、散らかってるね」 「ちょっと?」 「ちょ、ちょっと」 「ちょ、ちょっと?」 「うん、ちょっと」 何が可笑しいのか、2人同時に吹き出して笑う。 「ハハハ」 「ハハ。うちね、お父さんが出ていくの」 「ハ――」 ……え? あまりに白雪さんがさらりと言うものだから、聞き逃してしまうところだった。 「それって……」 「離婚するんすよ」 段ボールの山、お父さんが家を出ていく、離婚。 あ……。 私の頭の中でやっと、それらが繋がる。
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