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「私が中学に入ってからっすかね……2人の仲がギスギスし始めたのは」
中学って、まだ最近……。
「毎日食卓で言い争いして、酷い時は出先でも口喧嘩するんすよ」
両親の喧嘩、か……。
お父さんとお母さんが喧嘩をしている時の、子供の気持ちっていうものが分からない。
それもそうだ。
生まれた時には母は居なくて、父が口喧嘩をしているところなんて見たことがないから。
「結構厳しいよ」
眉を垂らして笑う白雪さんに、
「お父さんは、いつも担当の人に叱られてばっかだった」
と、私もまた眉をハの字にして笑う。
気休めの言葉にもならないけど、白雪さんは笑ってくれた。
「今なら、締切守れないお父さんが悪いって分かるけど、その時は可哀想だなって思いながら見てたよ」
「そうっすね……一方的に怒鳴られてる方を見るのは、厳しいっす。うちは、お母さんが同意を求めてくるの。お母さんの言ってることは間違ってないよね?って。私、笑うことしか出来なくて。お母さんを肯定しちゃうと、お父さんを否定することになる気がする」
「……うん」
「2人の言い合いがどんな些細なことでも始まるようになってからは、いつもハラハラしてた。だから私だけは笑ってようって。だって、笑うことは悪いことじゃないでしょ?」
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