ソーダ水(前編)

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手提げカバンの中で光る携帯には気付かず、目を覚ました時にそれを確認する私は、白雪さんからのメールを読んでまた懐かしい気持ちを思い出すことになる。 あぶぶぶぶーっ。 大丈夫かい? 急に倒れてびっくりしたっす。 元気な顔見たいけど、明日から夏休みだからね。 ……遊んでくれるよね? 遊んでくれるよね? 顔見るまで心配っす!!! 「フフ」 あの日、泣いて走って佐々さんの家に行った日。 学校で泣いてしまった時のこと、それを白雪さんが問いただしてくることはなかった。 絶対聞かれると思っていたのに、次の日学校に行ってみると、 「沙彩ちゃん、おはよ」 いつも通りに接してくる彼女がいて。 普段私の中に遠慮なしに踏み込んでくるぶん、気を遣ってくれていることにはすぐ気付いた。 柴田さんに何かされるんじゃないかっていう不安なんて、その瞬間、どこかへ消えてしまった。 案の定、柴田さんからの嫌がらせは続いているけれど、白雪さんが隣にいる時なら、何をされてもあまり落ち込むことはない。 思ったより、彼女の笑顔に助けられている自分がいるのかもしれない。 初めて この子になら本当の自分を知られても大丈夫なんじゃないか そう、想えた。  
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