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佐々さんと付き合うようになって、1ヶ月。
変わらず私は図書館に行くし、こうして佐々さんの家に来ることもある。
変わったことといえば、ここに来る理由が“雨に濡れたため”ではなくなったのと。
佐々さんが前に冗談で言った“野々原さん用のジャージ”が今はあること。
といっても、佐々さんに借りていたジャージを貰っただけなんだけど。
最初に比べると、彼女っていう実感はある。
時々、日を跨いで帰ることが増えたのもあるし――
「はい貧血で、って。聞いてないけど」
「? はい、言ってなかったです」
「いやいや……言いなさいよ」
「え?」
「え、じゃなくて。何も知らずにいるとこだったじゃない」
「……」
「なに?」
「や……今佐々さん、どんな気持ちでいるのかと」
一瞬、あなたに言ってどうするの?って思ったから。
「いくらかっこ仮でも、この1ヶ月はおたくのこと自分の彼女として見てきたわけだし。それ以前の付き合いもあるんだから、そら心配するでしょ……。
倒れたって聞いて気を揉むくらいの感情はあるよ」
「……それは、どうも」
……ほら。こうやってたまに、大事にされてるって意味で優しさを感じる。
少しずつだけど、確実に。
今、この人の存在に助けられてるなって想うことがあるから……危ない。
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