ソーダ水(前編)

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「食べてくでしょ?」 「え。あ、はい」 ……そういうことか。 出された物は断りきれないっていう、私の性格を心得てる。 夕食を一緒にとることも、今は珍しくなくなった。 「手伝います」 「ぶっ倒れた人がなに言ってんの。今日は食ったら帰りな。送るから」 キッチンに向かう佐々さんの背中を見送りながら、 じゃあ、今日もしないんだ なんて心の中で呟いた。 はじめに言われた通り、佐々さんはあまり触れてこようとしない。 することは……してるんだけど。 あの時の気恥ずかしさときたら――。
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