ソーダ水(後編)

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「凄いよ」 「え?」 「凄いと、思う。こんな言い方していいのか分からないけど、自慢されても私は“それがどうした”なんて言えないから」 私は出来なかったから。 「私は、自分で自分に傷をつけることが出来なくて……結果、これだもん」 そう言ってベッドから腰を浮かせると、参考書の入ったバッグが重たい。 白雪さんの目の前で膝を着くと、それがドサリと音を立てて床につく。 「バッグ置けばいいのに」 と、笑う白雪さんの言葉は聞かず、私は彼女の腕にそっと触れる。 「沙彩ちゃん?」 「……」 「……どうしたの?」 分からない。 でも、触れたくなった。 「フフ、びっくりしたぁ」 「……?」
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