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「凄いよ」
「え?」
「凄いと、思う。こんな言い方していいのか分からないけど、自慢されても私は“それがどうした”なんて言えないから」
私は出来なかったから。
「私は、自分で自分に傷をつけることが出来なくて……結果、これだもん」
そう言ってベッドから腰を浮かせると、参考書の入ったバッグが重たい。
白雪さんの目の前で膝を着くと、それがドサリと音を立てて床につく。
「バッグ置けばいいのに」
と、笑う白雪さんの言葉は聞かず、私は彼女の腕にそっと触れる。
「沙彩ちゃん?」
「……」
「……どうしたの?」
分からない。
でも、触れたくなった。
「フフ、びっくりしたぁ」
「……?」
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