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「嬉しい……夏休み万歳」
夏休み?
「フフ」
「沙彩ちゃん、大好き」
「……」
私なんだ、白雪さんの瞳に涙を滲ませたのは。
家庭の事情のほうが辛いに決まってるのに、私の変化に泣いてくれるんだ。
そう思ったら、私の目頭も熱くなる。
ごめんね。
「ありがとう」
「どういたしまして、こちらこそ」
私の、友達。
上部だけの関係に気付いて、皆が飽きて1抜けたしていく中、私は最後までごっこを続けてきた。
言ってもいいかな。
大丈夫かな。
……ようやく言える。
“1抜けた。”
「よし、コイバナをしよう」
「え……しようって言ってするものなの?」
「もっと佐々さんとの話聞きたいっすから」
「……書いちゃ駄目だよ?」
「フー」
「口笛吹けてないよっ。駄目だよっ? それに、佐々さんとはそんなんじゃないって――」
懐かしいこの感じ。
むずむずするけど、早くこの感じを伝えたい。
佐々さん私ね、話せたよ。
――やっと。
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