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「……ただいま」
「あ、おかえりなさい」
あれから一度も目を覚ますことなく眠り続けた私は、意外にも熱はすぐに下がった。
これで病院に行かなくて済むと安堵すると、借りた布団をベランダに干したり、ジャージを洗濯したり。
今は、そろそろ夕飯の仕度をしようとキッチンに立ったところ。
冷蔵庫の中にカレーの材料が揃っていたので、それなら自分にも作れると思った私は、腕捲りをして調理に取り掛かっていた。
「……」
えー……と。
そこにたった今帰ってきた佐々さんは腕組みをして、しげしげと私を見下ろしてくる。
「とりあえず聞くよ。何してるの?」
「あ……冷蔵庫の中の物、使わせて頂いてます」
「それは全然いいよ。いいけど、寝込んで学校休んだ人間が何してるのって聞いてんの」
やっぱり怒られてしまった。
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