イタいの(後編)

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「……いや」 微かに口の端を広げて、佐々さんは目の前の病院を見つめた。 「違ってたら大恥だ。気にしないで」 「はぁ」 「……野々原さんの話だと、そのツッパリ少女とは相変わらずみたいだね」 「つっぱり……?」 「問題児のこと。え、言わない?」 「はい」 「あーあ……これがジェネレーションギャップか」 「あ、でも、私が聞いたことないだけなのかも……」 「まぁいいよ、それは」 「はぁ。……まさか自分の口からあんな言葉が出てくるなんて、思ってもいませんでした」 「泣く程だったんだから、それほど腹が立ったってことでしょ。人間、自制心が効かないこともあるよ」 「……佐々さんも?」 「僕は無いかな……。食欲も性欲も、そこらの人に比べれば著しく低い。感情を取り乱すなんてことしない」 出会えてないだけなのかな、心のセーブが効かなくて困るってモノに。 そう、ぼんやり呟く佐々さん。 「睡魔はコントロール出来ないけどね」 「フ、ですね……」
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