イタいの(後編)

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ハ……。 セーブ出来なかった、そんな自分に幻滅する。 膝の上に置いた手を見つめながら、柴田さんに吐いた言葉を悔やみ続けた。 「……」 ふと隣から感じる視線。 私は目線を上げて、それを隣に向ける。 横目でこちらを見てくる佐々さんと目が合うと、ゆっくりと目を反らされた。 「……?」 「自制心が効かないなんて……最初の頃のおたくを知ってると、それも良いんじゃないって思うけど」 ……うん。自制心が効かないなんてこと、なかった。 裏を返せばそれは、感情的になる理由や存在が出来たってこと。 「その考えはなかったです……」 「ま、今回はお互い様なんじゃない」 「――っでも、お互い様って……関係ない白雪さんを巻き込んじゃってるのに」 佐々さんはちらりと私の顔を伺うと、浅くため息を吐く。
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