118人が本棚に入れています
本棚に追加
ハ……。
セーブ出来なかった、そんな自分に幻滅する。
膝の上に置いた手を見つめながら、柴田さんに吐いた言葉を悔やみ続けた。
「……」
ふと隣から感じる視線。
私は目線を上げて、それを隣に向ける。
横目でこちらを見てくる佐々さんと目が合うと、ゆっくりと目を反らされた。
「……?」
「自制心が効かないなんて……最初の頃のおたくを知ってると、それも良いんじゃないって思うけど」
……うん。自制心が効かないなんてこと、なかった。
裏を返せばそれは、感情的になる理由や存在が出来たってこと。
「その考えはなかったです……」
「ま、今回はお互い様なんじゃない」
「――っでも、お互い様って……関係ない白雪さんを巻き込んじゃってるのに」
佐々さんはちらりと私の顔を伺うと、浅くため息を吐く。
最初のコメントを投稿しよう!