イタいの(後編)

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「どーせ、なんで私を生んだんだ、とかいって悲観ぶってんでしょ」 「そんなこと、思ったことない」 私を生まずにお母さんが生きてたならって、考えることはあるけど、そんな、責めるようなこと……。 「いっつも机にしがみつくように座ってさ、周りが気を使って話しかけても話を広げようとしないし。へらへら笑って終わり。私、そういう人間大っ嫌い」 「……」 嫌いなのに、大が付くほど嫌いなのに、私のこと詳しいよね。 嫌いならほっといてくれたらいいのに。 「ずっと気になってたんですけど」 そう言った柴田さんの口から、白雪さんの名前が出る。 彼女が喋る度に俯いていた私の顔が、ピタと止まる。 「野々原さんも、今まで隣のクラスで食べてたのに、最近はもうずっと教室で食べてますよね。何かあったんですか? それとも……何かやらかした?」 「それは」 「まぁ、大体察しがつくけど。向こうの友達が居心地悪かったか、退屈だったか……」 それ……は、柴田さんのせいじゃない。 ……私のせい、なの……? 「目障りなんですよ」 崖の上から突き落とすような言葉。
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