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「どーせ、なんで私を生んだんだ、とかいって悲観ぶってんでしょ」
「そんなこと、思ったことない」
私を生まずにお母さんが生きてたならって、考えることはあるけど、そんな、責めるようなこと……。
「いっつも机にしがみつくように座ってさ、周りが気を使って話しかけても話を広げようとしないし。へらへら笑って終わり。私、そういう人間大っ嫌い」
「……」
嫌いなのに、大が付くほど嫌いなのに、私のこと詳しいよね。
嫌いならほっといてくれたらいいのに。
「ずっと気になってたんですけど」
そう言った柴田さんの口から、白雪さんの名前が出る。
彼女が喋る度に俯いていた私の顔が、ピタと止まる。
「野々原さんも、今まで隣のクラスで食べてたのに、最近はもうずっと教室で食べてますよね。何かあったんですか? それとも……何かやらかした?」
「それは」
「まぁ、大体察しがつくけど。向こうの友達が居心地悪かったか、退屈だったか……」
それ……は、柴田さんのせいじゃない。
……私のせい、なの……?
「目障りなんですよ」
崖の上から突き落とすような言葉。
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