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図書館へと続くスロープを昇り終えると、緑の芝の上を歩く。
図書館の敷地に植えられた木々も、赤と黄色のコントラストで。
足元に1枚2枚と落ちている葉を見つけると、下を向いて歩いていることを自覚する。
空を見たくてここまで来たのに……俯いてばかり。
顔を上げて自動扉の前に立つ。
開かない扉に違和感を覚えるより先に、いつか見た張り紙が貼られていて気が付いた。
そっか、今がちょうど図書の整理期間なんだ……。
図書の整理期間中、屋上に昇るのはおあずけ。
口をヘの字に鼻から息を吐くと、来た道を引き返す。
図書館の裏手に回り、駐車場を見つめた時。
「――あ」
どこからか聞こえた声。
私は足を止める。
…………嘘。
本当は、声がする前からその人の姿は私の視界に映っていた。
気付いてないフリしてたのに……。
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