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「まだ全然、制服を脱いだ自分なんて想像出来ないっすけど。一緒に頑張ろうねっ」
「うん」
「佐々さんのこと考えるのはいいけど、受験落ちたら嫌っすよ?」
「う、うん」
……そうだ。万が一不合格になっても困るのは自分だけ、なんて思っちゃ駄目なのか。
大変だ……、と内心焦る私の耳に、チャイムの音が聞こえた。
白雪さんは、
「また後でね」
と歯を見せて笑うと、自分の席へと戻っていく。
とりあえず勉強、勉強するのみ、と私は授業の準備を始めた。
――ヴー、ヴー
「?」
スカートのポケットの中、単調なリズムで震え出す携帯。
誰?と、平日のこの時間から連絡をしてくる相手を冷静に考えながら、先生が来ていないことを確認して携帯を取り出す。
机の下で画面を開くと、“コンビニ”の文字が表示されていた。
バイト先の店長からだ。
だとすると、メールの内容は安易に想像出来る。
夕勤の2人が欠勤になりました。
申し訳ないのですが、今日はドライ発注があるのでお願いしたいです。
学校が終わったら、連絡を頂けると助かります。
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