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今日はもう帰ろうかな。
誰もいない屋上に別れを告げると、1階に降りてカウンターへ向かう。
佐々さんに伝えてから帰ろうと思ったんだけど、カウンターに佐々さんの姿は見当たらない。
ロッカーで靴を履き替えてるのかな……?
「あの……」
他の図書館員の人と話をしていた米谷さんにこっそり話し掛けて、佐々さんの居場所を訪ねる。
「さて。休憩室に入っていくところは見てないから、まだ館内にいるんじゃないかねぇ」
「そうですか……」
「どうかしましたか?」
米谷さんと話していた人が、私をチラリと見て米谷さんに耳打ちするのが聞こえた。
「フフ。佐々さんの可愛いお客さんだよ」
米谷さんが言うと、図書館員の人がしげしげと私を見てくる。
「ああの、探してみます。ありがとうございました」
私はせっかちに頭を下げて、急いでその場から離れた。
「こら、お客様を食い入るように見るもんじゃないよ。逃げてしまったじゃないか」
「いやー。今日、佐々の所在を訪ねてきたの、あの子で2人目なんですよ――」
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