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『あのね、沙彩ちゃん。沙彩ちゃんが否定しても、もう『佐々さん良いと思うけど』なんて言わないっす。もう、茶化したりもしない。でもその逆……沙彩ちゃんがそうだって言っても、誰も何も言わないんすよ。
誰が怖い? 沙彩ちゃんは今、誰のことを考えてる?』
「……でも、私……佐々さんとは可笑しな関係で……」
『それが?』
「え……」
少しだけ、白雪さんの口調がキツく感じた。
『ごめん、違う違うっ。私がそう聞き返せちゃうくらい、私からしたらなんとでもない事なのにってことっす。
沙彩ちゃん今のはね、他人の目を気にしてる人の口から出た言葉だよ。年齢差が何? 先生と生徒でも、画面の中に片想いでも、それが何?』
「せ、がめ?」
『ご近所のお爺ちゃんなんて、ゲートボール仲間の苗婆ちゃんに恋してるよっ』
し、白雪さんが……ヒートアップ……。
「白雪さん……」
でもそれって、それ程私のことを考えてくれてるんだって、思ってもいいんだよね?
『沙彩ちゃん言ったよね。世界は案外つまらないものだった、って。
そこにいるのは沙彩ちゃんだよ』
「……はい」
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