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私…………私――。
――プルルルルル
プッ
『もしも、』
「あああの」
何コール目かでプツンと呼び出し音が途切れると、私は向こうの言葉を待っていられず、間髪を入れずに話し掛ける。
『……っくりしたぁ。ヒヒ、どうしたんすか』
聞き慣れた笑い声が、凄く近くに感じる。
今までなら、1人で悩んで考えるのがしんどくなると、悩みさえも放り出した。
「ああの、あのね」
『ハハッ。なになに? 何があったんすか。あの沙彩ちゃんのこのテンションの高さ』
「っ白雪さ――み、美穂さんが、私、佐々さんと――」
『ちょ、ヒヒ。待って待ってっ。ヒッ、“美穂さん”どこから出てきたんすか』
えぁ……話してなかった?
ヒーッと笑う白雪さんの声が、耳元から遠ざかる。
寝っ転がって大笑いしてる姿が浮かんで私は少し冷静になるけれど。
まずは美穂さんとの出会いから、と話し始めれば、やっぱりいつものテンションではいられなかった。
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