1人が本棚に入れています
本棚に追加
???｢あなた、新入生？
名前は？｣
女子生徒は俺に威厳ある声でそう言いながら俺をじろじろ見る。
和｢お、俺は…細崎和彦です。
……あの、俺になにか｣
???｢………………はっ!?
ご、ご免なさいね。
ネクタイ…曲がってるって言いたかったのよ。
私が直してあげる。｣
俺の腹部をじーっとみていた彼女は慌てて取り繕い、
俺のネクタイにてをかける。
確かにネクタイは走っていたせいか歪んでしまっていた。
???｢じっとしててね…はぁ…｣
和｢……………あ、あの。
後は一人で出来るんでもう…｣
???｢動かないで。
此処の校則はかなり厳しいんだから。
……よし、出来た。
これでバッチリよ。
これからは常にこれを目指してね。｣
女子生徒はグーサインを俺にしてそう言った。
和｢ありがとうございます。
助かりました。｣
???｢いいのよ、
これでおあいこだから。｣
和｢え？
おあいこ？
俺って何かしましたっけ？｣
???｢あ、いやいや…何でもないよ。
そんなことより細崎君、
早くいかないと間に合わないわよ？｣
彼女にそう言われて俺はスマホを見る。
時計は無情にも始業式10分前を示していた。
和｢うわっ、もうこんな時間!?
あ、ありがとうございました!!
いつか必ずしもお返ししますので～!!｣
俺はスマホをしまって彼女にそう言って全力で走り出した。
???｢…………やっと見つけたわ。
私の…運命の人…｣
最初のコメントを投稿しよう！