第1話

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~翌朝~ まだ誰も登校していないような時間に、私は教室にいた。 朝のHRまではまだ30分以上ある。 昨日の沙羅の言葉が少し引っ掛かっていた。教室の窓からはテニス部の朝練が見える。窓に寄り掛かりながらぼーっとしていた。 誰かがサーブを打っている。 (あぁ、あれじゃ入らないな) どんなにテニスから離れても、心も体もあの感触を忘れてはくれない。 だが、どれだけ心と体が餓えてしまっても私はもうラケットを握ることが出来ないだろう。 「The Last Queen」 突然、背後から声が聞こえた。
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