01.入学  神崎雛音

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「なにが?」 「リラックスするためにいったんでしょ?」 「本当に雛音ちゃんは頭の中がファンタジーだな」 何それ、嫌みなのかほめられているのか。 でもきっと透くんは優しい人。 「褒め言葉としてうけとっとく」 「お好きに」 透くんは不適な笑みを浮かべ、列に並んだ。 入学式への入場が始まる。 私たちのクラスも歩き出し、体育館へと入った。 体育館には保護者や3年生がすでにおり、盛大な拍手で迎えられた。 クラスごとに着席し、全クラス席に着くと同時に入学式が始まった。 頭の中でそういうかシュミレーションを開始。 来賓の方々の話んんか聞いていなかった。 そしてそのときが訪れる。 「新入生代表挨拶」 司会の声が私の名を呼ぶ。 「1年4組、神崎雛音」 目を閉じて深呼吸。 「はい」 恭、私ここにいるよ。
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