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確かあのときは…泣いていたような…
むこうは覚えているのだろうか。
お互いなんだか気まずいな…
そう思いながら一人で頭をかきむしる。
でも…
「なんで透君はにらんでたの?」
ふいに質問すると、透くんは「ばれてた?」と驚いていた。
「ん?別れた時にいろいろあってたから。それは恭が悪いかもしれないんだけど…原因を作ったのは日立だから。そのせいで恭はめっちゃ傷ついてたから。恭が許しても俺はあんまり許したくない」
「…透君は恭が大好きだね!」
こんな風に恭を思ってくれる友達がいる、なんだか自分のように嬉しかった。
「俺は自分が一番大好きですよ」
いつものようにケロッと透君は答えていた。
その受け答えの上手さに笑ってしまった。
「でも、雛音ちゃんは俺が言ってた事気にしないで。なんにも知らない雛音ちゃんにあいつあんま好きじゃない?許せない?って言ったら印象悪くなっちゃうじゃん。だから気にせず話して仲良くなったりして、雛音ちゃん自身でどういう子か見極めて」
「………」
「雛音ちゃん?」
「透君、なんか悟ってるね!!!」
そしてとってもいい人だなと思った。
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