03.クラスメイト 神崎雛音

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確かあのときは…泣いていたような… むこうは覚えているのだろうか。 お互いなんだか気まずいな… そう思いながら一人で頭をかきむしる。 でも… 「なんで透君はにらんでたの?」 ふいに質問すると、透くんは「ばれてた?」と驚いていた。 「ん?別れた時にいろいろあってたから。それは恭が悪いかもしれないんだけど…原因を作ったのは日立だから。そのせいで恭はめっちゃ傷ついてたから。恭が許しても俺はあんまり許したくない」 「…透君は恭が大好きだね!」 こんな風に恭を思ってくれる友達がいる、なんだか自分のように嬉しかった。 「俺は自分が一番大好きですよ」 いつものようにケロッと透君は答えていた。 その受け答えの上手さに笑ってしまった。 「でも、雛音ちゃんは俺が言ってた事気にしないで。なんにも知らない雛音ちゃんにあいつあんま好きじゃない?許せない?って言ったら印象悪くなっちゃうじゃん。だから気にせず話して仲良くなったりして、雛音ちゃん自身でどういう子か見極めて」 「………」 「雛音ちゃん?」 「透君、なんか悟ってるね!!!」 そしてとってもいい人だなと思った。
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