03.クラスメイト 神崎雛音

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「透!」 放課後、教室に残っていた透に話しかけた。 今日話していた内容を聞いてみようと思ったのだ。 「ん?何?」 どこからそんなフェロモンが出てるんだろうか。 何回も話したことはあるのだが、未だに慣れない。 「俺のイケメンオーラにやられちゃった?」 「その言葉で現実に戻ってこれた」 透が笑っていた。 「じゃなくてー、今日さ、恭委員会らしいから終わるまで近くのカフェで待ってようよ!」 恭は美化委員になっており、放課後に花の苗植えがあるらしい。 透の部活も毎週月曜はないため、3人で帰るのが日課だった。 「え?俺は別に雛音と2人で帰ってもいいけど?」 「嫌だよ!透のファンに殺されるわ」 「カフェも同じじゃん?」 「あ、そっか……」 「ここじゃダメなの?学級委員の仕事あったろ?なんか、この前とったクラスのアンケートの集計」 「あ!そうだね!明後日までだったね!それしながら待っとこう!」 教室では聞きにくかったが、カフェで話しているのを見られるよりはましだ。 透の近くの机に荷物を置き、椅子に座った。
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