03.クラスメイト 神崎雛音

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人が残っていた教室も、一人また一人と人が減って行き、二人きりになった。 「雛音」 クラスのアンケートに目を通していると透から声をかけられた。 「ん?」 透に目を向けると、透は不服そうな顔をしている。何かしたかな? 「え、なーに?」 「いやいや!雛音が話したいとか言ってたんだろ?なんかあったの?」 あ、アンケートの集計に集中しすぎて、本題を忘れていた。 だから透は不服そうな顔をしていたのか。 「あーごめんごめん!アンケートに見入ってた」 やれやれと透は呆れ果てた顔をしていた。 「ってかさ、なんだろうな。このアンケート。学校生活をより良くするためのアンケート?とかネーミングセンスないよな」 アンケートを見ながら透は言った。 「確かに。中学校みたいだよね」 中学時代も意味がわからないアンケートがあったものだ。 それがどう反映されたのかもわからなかった。そんなアンケート。
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