01.入学  神崎雛音

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案内図をたよりに一人で教室へと向かう。 2階の角が4組だった。 教室に入ると 「おい!お前また同じかよ!!」 「お前も!?あいつ何組いったの?」 本当に入学式だろうか。 クラス内がざわついている。 おそらくざわついているのは中高一貫組だろう。 席に座って肩身狭そうにしているのが高校受験組。 このクラスが団結するにはどれくらいかかるのだろうかと思いながらクラスの黒板へと目を向ける。 出席番号が書かれた黒板を見る。 神崎雛音は6番だった。 お、ラッキー。 一番後ろだ!!! しかも窓側! 最高の出だしだ。 高校受験組の私もおとなしく席に座った。 そのとき ガラッ 「おーーー!お前も同じクラスかよ!!!!!」 扉の方に人が寄って行く。 女子生徒の歓喜の声も聞こえる。 え? 入って来た人に目を向ける。 その視線に気付き、向こうも私を見た。 「「え!?」」 「雛音ちゃん!?」 「透くん!?」 声が重なった。 視線の先にいたのは金谷透。 しかも 「なんでここにいんの!?」 私の席の前だった。
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