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「透くん、よく私覚えてたね」
前の席に座る透くんに話しかける。
「まあね。暗記力良いし。雛音ちゃんはあれだな!イケメンすぎて覚えてたんだよな」
ふふっと笑みがこぼれる。
裏表のない感じでいい人だな。
少し緊張していた心が落ち着いた。
「で、なんでここにいんの?」
「あ…えっと」
その瞬間
「透ーーーー!!この美人さん誰!?」
「知り合い!?」
先ほど透くんに話しかけていた男子生徒が話に入って来た。
驚いて目が点になる。
透くんは平然と
「俺の彼女。お似合いだろ?」
と言い放った。
その瞬間、クラス内の女子から一斉に見られ、睨まれる事態。
男子からは「えぇぇぇぇぇえ!?」と驚きの声。
ちょっと、最初からこのスタートはきつい!
「透くん!冗談は冗談らしく言って!」
そう言うと周りは冗談とわかり、空気が和やかな物へと変わった。
やばい、身の危険を感じた。
女子の目にゾッとした。
「恭の幼なじみだよ」
今度は本当のことを口にする透くん。
「え!?」
それはそれで周りが食いついた。
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