01.入学  神崎雛音

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「透くん、よく私覚えてたね」 前の席に座る透くんに話しかける。 「まあね。暗記力良いし。雛音ちゃんはあれだな!イケメンすぎて覚えてたんだよな」 ふふっと笑みがこぼれる。 裏表のない感じでいい人だな。 少し緊張していた心が落ち着いた。 「で、なんでここにいんの?」 「あ…えっと」 その瞬間 「透ーーーー!!この美人さん誰!?」 「知り合い!?」 先ほど透くんに話しかけていた男子生徒が話に入って来た。 驚いて目が点になる。 透くんは平然と 「俺の彼女。お似合いだろ?」 と言い放った。 その瞬間、クラス内の女子から一斉に見られ、睨まれる事態。 男子からは「えぇぇぇぇぇえ!?」と驚きの声。 ちょっと、最初からこのスタートはきつい! 「透くん!冗談は冗談らしく言って!」 そう言うと周りは冗談とわかり、空気が和やかな物へと変わった。 やばい、身の危険を感じた。 女子の目にゾッとした。 「恭の幼なじみだよ」 今度は本当のことを口にする透くん。 「え!?」 それはそれで周りが食いついた。
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