01.入学  神崎雛音

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「あ、あの!?恭がよく話してた…えっと…あかね?」 「雛音です」 「そそ!雛音ちゃん!!!!」 恭が? 何の話をしていたのだろう。 「華原くんの幼なじみなの!?」 次はその男子をはじき飛ばし、女子が詰め寄って来た。 「え、あ、うん」 目が点になる。 もしかして恭ってもててる? 透くんはもちろんもてているけれど恭は手の届くもて方というか。 小学時代、そんなにもてていなかった恭が! 少し驚いた。 「で、雛音ちゃん。なんでここに?恭の話では南高受けるとかなんとか」 相変わらず冷静な透くんが話題を戻してくる。 あ、恭はそんなことまで透くんに言っているのか。 「えっと、南高は受けずにここにしぼって受けたの。いろいろ自分で考えて。恭にも言ってない」 苦笑いをしてごまかすと透くんはなにかを察したのか 「そっか…驚くだろうな。あいつ」 と何も言わなかった。
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