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「先生、なんで雛音ちゃんだけ?」
先ほど名前を聞いて来た男子が先生に尋ねた。
「さすが齋藤、女子のリサーチ早いな」
へへっと齋藤と呼ばれる男子が笑っていた。
周りの男子も笑う。
「神崎は受験組で一番優秀な成績で入学しているんだ。だから新入生代表挨拶を入学式ですることになってる」
周りが「おー!!!」と私をはやしたてていた。
一貫組と一緒なのはなんだか隔たりがなくていいけど慣れるまできついな、と少し思った。
「雛音ちゃん、透に聞けば良いよ。透は中学の入学式の時新入生代表したし」
あ、そういえば。
恭がいっていたな。
「いや、俺の挨拶は雛音ちゃんにはマネできないよ、あれは自分をさらけださなきゃいけないからな」
「神崎、金谷にアドバイスなんかもらわなくていいからな。金谷はえらいかしこくて頭が早いが自分しか見えてないところがあるから」
また周りが大爆笑していた。
透くんはナルシストだと聞いていた私も意味が分かり、笑ってしまった。
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