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「ハ……」
1人になって、ようやくため息を吐くことが出来た。
……私、何してるんだろ。
年下に混じって学ぶことの何が恥ずかしいの?って、言い返してやればよかったのに。
――言い返せればいいのに。
年下の子にチクチク言われてへこむ私って……。
面倒ごとは嫌いなくせに、何か楽しいことはないかと探してる。
もう大人だって自分に言い聞かせながらも、大人に見られることに違和感を感じて。
何のために生かされたんだろうと問うのに、何かに必死になるのが怖い。
……矛盾してるな。
「あの、お会計いいですか」
「ありがとうございます」
「あ、袋はいいです。ここに入れます……」
「ありがとうございましたっ」
本屋の店員さんの歯が眩しい。
「ハー……」
教科書2冊ぶん重くなった手提げカバンを肩にかけ直して、大きく息を吐きながら空を見上げた。
……重い。
久しぶりに心が重たい。
鉛とまではいかないけれど、腰にロープを巻きつけてタイヤを引きずっているみたいな心境。
これは心の中に起きた“変化”になるんだろうけど、全然嬉しくない。
同じ変化が起きるなら、心が弾むような出来事がいいに決まってる。
その方がずっといい。
……あったら素敵だね。
子供の頃、体を気にかけながらもよくしていたスキップは、いつからやってないっけ。
今ならおもいきり出来るのに。
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