ハーデンベルギア(後編)

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  ――ジリリリリリリリ 「っ……」 枕の横でけたたましく鳴り響く携帯のアラームで目を覚ます。 布団の中で意識を閉ざしてから、そう時間は経っていない。 今日は一段と天気がいいらしく、カーテンを透けて入ってきた陽の光が眩しい。 「起きなきゃ……」 寝起きで更に酷い髪の毛を手ぐしでときながら、朝食の準備をしようと台所に立つ。 あー……昨日卵かけご飯したんだっけ。 あれが最後の1つだったのに……どうしよ、ご飯。 夢うつつで冷蔵庫の中を見つめる私。 今日は食べなくていいや……、とそっと扉を閉める。 「牡羊座のあなた、今日は寄り道してみるといいかも? ラッキーアイテムはお花。ラッキーカラーは――」 ――シュコシュコ シャカシャカ 歯を磨きながら今日1日の運勢を聞くけれど、右から入ってきた言葉はそのまま左から出ていった。 昨日も0時には布団に入ってたのに……寝れたのは朝方。 眠い。
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