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景虎は数日後越後と北信濃の国境にある温泉へとやって来た。
「白夜大人しくしててね」
白夜と言う名前は毛並みが真っ白な為景虎が付けた名前であるその白夜を樹木にくくり付けて顔を撫でた。
温泉に入った景虎は目をつぶって無心になろうとする。
『また何処かで会おうぜ』
春太郎いや太郎の言葉を思い出したお龍は顔を赤らめた。
その頃太郎こと武田信玄は信濃攻略に悪戦苦闘していた信濃の村上義清と上田原の戦いに挑み大敗。
重臣の一人板垣信方が戦死して怒り心頭に達していた。
「糞っ!村上義清め~!」
信玄はこの時まだ晴信と名乗っている酒をあおる晴信の側には重臣達が参列している。
「御屋方様一度甲斐に戻って体制を立て直した方が宜しいかと」
武田軍の軍師山本勘助が助言をする。
「成らぬ!」
「しかし.....」
まだ若武者の晴信は冷静さを忘れて怒りに任せ立ち上がった。
「どちらへ」
「少し酔った涼しんでくる」
晴信は勘助や重臣達の間を抜けて本陣から出て愛馬を連れてくる様に兵隊に言った。
「「御屋方様!」」
数名の重臣が心配して駆け寄って来た
「済まぬ心配致すなチョッと一人になりたいだけだ」
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