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「それも良いかもしれませんな」
「爺ぃ~!」
少し苦笑いで言った定満に景虎は本気で怒る。
「逸その事形だけで良いから政景を婿にしてみるか」
「そんな事になったらあの方の事付け上がりますぞ!」
冗談で言った晴景の言葉に朝信が焦る様に言う。
「朝信冗談じゃ冗談!」
「それも一手かも知れませんな」
「お~い定満冗談じゃて冗談」
ほんのおふざけのつもりで言った言葉に晴景は寂しそうに言う定満に驚いて否定し続ける。
「逸その事上杉家いや夢を大きく見て相模の北条家から婿を貰うなどとはいかがでしょ」
「ほう北条殿の所からのう」
朝信の言葉に定満は感心した様に呟き景虎は相変わらず大きく首を無我夢中で振って否定している。
「なんと北条家だとそれは無理と申す事だろう」
晴景の言う事に今度は大きく何度も景虎は頷いた朝信は腕を組み思考をめぐらす。
「ではやはり上杉家からで御座いますか?」
「う~ん逸その事朝信お前がなっては如何じゃ悪い話では有るまい」
「五月蝿いわ!婿など要らぬし嫁にもいかぬわ!」
朝信の言葉を聞いて冗談の矛先を晴景が変えると景虎は大声で怒鳴って部屋から出て行った。
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