お龍と太郎

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長尾影虎は18才この頃には春日山城主として春日山城に入場しており一時の平穏の中に居た。 「爺ぃ~!はる.....春太郎って奴知っているか?」 「春太郎ですか?」 お龍...いや景虎が尋ねたのは上杉家臣四天王の一人宇佐美定満だ。 「城の者ですか城下の者ですか?」 「城の者では無いがわからん!」 「姫...いや殿.殿がわからん者を拙者に聞かれましても困ります」 「爺ぃは物知りではないかぁ~」 「いくら物知りと言われましても~下の名前しか知らないのでわぁ」 定満は少し考えて下の名前しか知らないのかと尋ねた景虎はコクりと頷いて下の名前しか知らないと返事をした。 定満は景虎の言葉に困り果てた顔をして頭を掻く 「殿何処ぞの者かわからない上に下の名前しかわからないのでは流石の爺ぃも御手上げですぞ」 景虎は最もじゃと小さな声で呟くと気落ちした様に俯いた定満はその人物がどうしたのかと尋ねたが景虎はもういいと言ってドカッと座り込んだ。 「もう宜しいのですか?」 「あぁ~もういい!」 「では爺ぃの方から.....」 「しつこいぞ爺ぃもうお仕舞いじゃ」
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