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部屋を出ると、外にいた北岡と青山に「力太郎見なかったか?」と聞いたが、二人共、「勝関は見てないですよ」と首を振った。
筋トレをしている、山にも聞いた。
「勝関なら、土手にいたけども・・・」
山は秋田県出身で訛りが中々抜けない。
力太郎の同期でもある。
「そうだ。力太郎と佐賀まで来週行かないか?俺の後援会の解散式と、力太郎の後援会の発足式があるんだ。」
山は、「佐賀・・・」と呟き、「私で良ければ」と答えた。
喜勢川は、「すまんな」と、山に軽く手を上げた。
土手では、大きな体をした男が川に向かって座っている。
後ろには、まだ細身の男が立っている。
「妻木も一緒か・・」
喜勢川は、近付くと「力太郎!」と声をかけた。
大きな男は、一瞬、ビクッとし、煙草をくわえたまま、振り返った。
「大将か・・・」
「なんすか?釣れそうなんスけど。」
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