宝物は腕の中 昭介視点

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「あ、あ、」  酸素を求める魚のように顎が上がる。  閉ざされていたそこが緩んでもう一本、指を飲みこむ余裕が出来た。  二本の指がバラバラに動かされる。 「あ、い、いやぁ」 「ん? どこが? ここ?」  きっといたずらのつもりだったのだろう。一番快楽を生む場所をぐりっと押された。   「ああっ、やあ、……そこダメ、」  「うん、ここね、分かった」  言いながらそこばかりで動く。うねるような快感が身体を駆け巡る。もうどうしようもできなかった。  「ああ、やぁ、」 「嫌なん?」 「ああ、……もう」  わけが分からず首を大きく振る。 「もう……お願い、…」  何をお願いしてるか自分でも良く分からない。分からないけれどおかしくなった身体をどうにかして欲しかった。 「もう、」  縋るように言うと指が抜かれ身体を返された。  ぼんやりした視界に和也が見える。胸の甘い疼きがいっぱいに広がる。  足を割り広げられ指が出ていった所に温かいものがあてがわれた。  そうするのは分かっていたのに息を飲んだ。  怯えて締まった入口に圧がかかる。  じわじわとそこが開き先を飲み始めた。指とは比べものにならない圧迫感に下腹部が力む。  怖さを上回る痛みで腹だけじゃなく全身に力が入る。
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