朝はもうすぐ

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 他の友達から彼女との進展具合を根掘り葉掘り聞かれ、白状した友人の赤い顔を見て、オレは何とか笑ったつもりだったけど声が出なかった。  友人の傍は麻薬のようだ。  気持ちが良くて、ずっとこうしていたいと思う。  でもちょっとした事で改めて自分は想われない立場だという事実を突き付けられ、その度に傷つく。  遅く帰るオレを心配して泊めてくれる、ほんとにいいやつなんだ。  友人が大好きだ。  でもあり得ないことを期待して、落胆して、を繰り返すのはもう疲れた。  オレだって普通じゃないけど「しあわせ」になりたいのだ。  恋人が欲しいんだ。  学校の卒業と同時に友人からも卒業する。  今度は報われる恋をしたい。  
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